鼻茸や副鼻腔炎があると、鼻づまり、鼻漏、頭重感、嗅覚障害、集中力低下、口呼吸による口臭など様々な障害が起こります。また精神的な憂鬱が続くこともあります。
鼻茸切除、内視鏡下鼻副鼻腔手術(ESS)を受けることによりこれらが改善し、QOL(生活の質)が向上します。
人の頭蓋骨の中には頬、眼の横、眼の上に空洞になっているところがあります。その空洞は鼻の中(鼻腔)とつながっています。この空洞を副鼻腔といいます。その副鼻腔が慢性の炎症を起こし、汚い粘膜や膿がたまる状態を副鼻腔炎(蓄膿)といいます。
副鼻腔炎が進行しますと汚い粘膜が鼻腔にまで出てきてしまい(鼻茸:はなたけ、ポリープ)さらに鼻閉がひどくなります。この鼻茸と副鼻腔の病的に腫れた粘膜をとることが手術の目的になります。
鼻茸切除の術中、術後の出血および疼痛を最小限に抑えるため、当院では最新式サージトロンを使用しています。スネアー(鼻茸絞断器)をサージトロンで高周波止血を行いながら使用することにより容易に鼻茸を切除できます。
次の図は、鼻茸ができて気道が狭くなっている状態です。麻酔は鼻内に麻酔ガーゼを留置します。鼻茸切除術だけなら注射はしません。
内視鏡下鼻副鼻腔手術は、鼻の穴に内視鏡を挿入し、TVモニター画面を見ながら鼻内手術をおこなう方法です。
従来の唇の下から切開する方法とは異なり、切除する範囲は、病気を改善させるために最低限必要な部位のみです。さまざまな角度から副鼻腔を観察でき、また、TVモニター画面で拡大されるため、術中術後の出血や痛みが、従来の鼻根本手術よりも、はるかに少なく、また、頬の腫れやしびれを生じません。
鼻のそばにある眼や脳といった危険部位を傷つけないよう、安全を確認しながら手術をおこないます。